さし木から6年かけて成木に
茶の木は、ツバキ科の永年性の常緑樹で、東南アジアが原産地です。
茶の木をつくるのに、むかしは「実生法」といって成木から種子を取ってそれを発芽させていましたが、発芽や生育が均一になりにくく、雑種化しやすいなどの欠点がありました。
現在は最新技術を利用して、さし木により繁殖を行っています。さし木してから2年で苗木になります。これを、茶畑に定植。人間でいえばやっと小学校入学といったところでしょうか。この苗木に肥料をやったり、せん枝をしたり、手間ひまかけて、3〜4年ほどしっかり育てると、いよいよ摘み採りができる成木になるのです。
茶の木の経済年齢は、成木になってからおよそ20〜30年です。この間、年に2〜3回ぐらい茶摘みが休むことなく行われます。
寒さに弱い茶の木
茶はもともと亜熱帯性の作物ですから、低温に弱く乾燥を嫌います。
茶の木の気象災害で最も深刻なのが霜などによる寒害です。
収穫量を大きく左右するばかりでなく、お茶の品質を著しく低下させるからです。
現在では、この霜害対策として防霜ファンなどが設置されております。地上9メートルぐらいの温かい空気をファンを使って吹き下ろし、茶の木を霜から守っているのです。