福本園では、優れた自然環境の中に約7haという広大な茶園を保有し、自然の活力を生かした栽培により日夜良質茶の生産に努力を重ねております。 一言で、「優れた自然環境の中に・・・」と言いましたが、それでは、どの様なところで生産されているのでしょうか? お茶の福本園の茶畑が広がる肥後台地は、世界最大級のカルデラである阿蘇外輪山の裾野に広がる、とても雄大で美しい台地です。 阿蘇に源を発した一級河川・白川が流れ、一面に肥沃で広大な大地が広がっています。 「水の都」熊本と言われるように、肥後大地には、清らかで美しい日本一のおいしい水が豊富に有ります。 近くの熊本空港は、日本一の霧の空港として知られている様に、霧がとても発生しやすく、お茶の芽の大敵である霜が降りにくい地形となっています。 以上のように、清らかな美味しい水、霧深い寒暖の差が激しい気象条件、そして肥沃な大地という大自然の恵みをいっぱいに受けた澄んだ茶畑(お茶の生育に最適な恵まれた自然環境)で、お茶を栽培し、育てているのです。 それでは実際に、お茶の福本園の独特の「栽培法・製造法」を皆様にご紹介します。
当園の『ふかむし茶』は、恵まれた自然環境(気候、水、土壌、空気)のなかで、こだわりの栽培法、そして独特の製造技術により生まれるわけですが、ここでは、こだわりの栽培法についてご説明したいと思います。 お茶の栽培管理のなかで最も重要なことは、健全な土作りにあります。
また、土作りの基本である堆肥の投入に於いては、何年もかけて作った完熟堆肥に今注目されている炭を混ぜて茶園に投入するという試みを行っております。 また別の取り組みとして、茶園の保水性、土壌の科学性、物理性改善の為、また、土壌微生物の環境の為に、茅(かや)を茶園に一列づつ手で敷き詰めています。 茅(かや)というのは、右の写真の様な、山に生えているススキ等の事で、昔、茅葺の屋根などに使われていました。これを茶園に入れると、土が軟らかくなり、保水性、通気性が良くなり、茶の樹がとても元気になるのです。また微生物の餌にもなります。本当に良い事尽くめなのです。 当園では、遠方の阿蘇の外輪山の久木野まで、冬の時期に毎日、かや切りに行きます。 今後もおいしいお茶を作るためにし続けていきたいと思います。 福本園では、『濃厚な味わいのふかむし茶』をつくるために、上記のような「肥培管理」「土作り」と共に、もう一つのこだわりを持って独特の栽培法で生産しております。 その独特の栽培法とは、芽重型の茶園を作る事、つまり、特蒸しに耐えることのできる力強い芽を生産できる茶の樹を作る事です。 具体的に述べますと、三番茶を摘まないで茶の樹に無理をさせないという事です。 また、茶の樹を若返らせるために中刈や深刈といった更新を頻繁に行い、力強くてみずみずしい茶の芽の生産に努めております。 お茶の新芽にとって、最も恐ろしく大敵であるのは、「晩霜」です。晩霜は、一年間大事に育ててきた茶の新芽を一晩のうちに枯らしてしまうのです。 防霜対策としては、送風法、被覆法、散水氷結法等がありますが、福本園では、防霜ファンによる送風法、スプリンクラーによる散水氷結法を採用し、霜害を防いでおります。 ※右の写真は、防霜ファンです。 左の写真は、防霜や潅水に効果を発揮する多目的利用のスプリンクラーです。 ※下の写真は、防霜対策として水を散布しているところです。
お茶の福本園の製茶施設は、特蒸し茶を製造するための特殊な機械がいくつも並べられた120K1.5ラインという製茶システムです。 福本園のふかむし茶は、普通のお茶よりも豊富な蒸気を用いて、長い時間よく蒸したもので、素材(茶葉)のもつ濃厚な味わいをすべて引き出した味本位のお茶です。 ふかむし茶の製造のなかで、壊れやすい蒸し葉をいかにやさしく揉みながら乾燥させていくかが最も難しい事なのですが、福本園では、他の工場にはない特殊な機械を何台も並べて、素材の味わいを損なうことなくやさしく揉みながら乾燥し製品に仕上げております。 そして、次の写真の機械は、中揉み機という機械で、揉みながら乾燥させる機械です。 この機械の前工程として、葉打機1台・粗揉機3台・揉捻機2台が有り、少しづつ、やわらかく揉みながら乾燥させます。 福本園では、マイコンによるコンピューター制御の機械を導入し、製造しておりますが、これにより高品質でしかも均一化された製品が出来るようになりました。 ※右の写真は、マイコン制御盤です。 ※下の写真は、マイコン精揉機です。 殆どの機械がマイコン制御になっており、生葉の水分含水率、気温、絶対湿度等を計測しながら、随時、熱風温度や風量、揉み手の回転数を自動で制御し、茶温を一定に保ちながら、お茶の製造を進めていきます。
※左の写真は、数多く有るマイコン制御盤の一つで、精揉工程の釜の温度や分銅(重り)のかけ方を経過時間で制御し、そして取り出す制御盤です。 一次加工で出来上がった製品(荒茶)は、直ちに真空包装し、大型冷蔵庫に保管します。 二次加工とは、茎茶や粉を選別したり、火入れ処理をしたりする工程です。 お茶の福本園では、摘採から加工・真空冷蔵保管までの工程をスピーディー且つ丁寧に行う事で、生葉の持つ香味を損なうことなく、一年中、美味しいお茶を皆さまにお届けできるのです。 福本園では、お客様に、年間を通して変わらぬ『おいしいお茶』をご提供できる様に、「お茶」は、「荒茶(あらちゃ)」の状態で、出来た直ぐ(4月、5月の一番茶の時)に真空包装し、冷蔵庫で保管しておりまして、その都度必要な分だけ、少量づつ、冷蔵庫から出して製品を作っております(仕上げ加工をしております)。 保存(保管)の事を考えた場合、お茶は「荒茶」の状態が一番安定しており、「荒茶」の状態で真空包装して冷蔵庫で保管するやり方が最も保存性に優れております。 お茶の福本園では、大変ではありますが、この手間暇かける、こだわりの「お茶(製品)づくり」を貫いています。 |