しいたけの栽培法には、大きく分けて2つの栽培法があります。 『原木栽培』と『菌床栽培』です。
原木栽培とは、ナラやクヌギの木に、椎茸菌を植え込み、半年から一年以上かけてじっくりと栽培する昔ながらの栽培方法です。そして、原木内の栄養素だけを吸収し発生した椎茸が『原木しいたけ』と呼ばれます。 椎茸本来の旨みを損なわずに育てることができ、より自然に近い栽培法であることから、伝統的に行われてきました。しかしながら、原木栽培は、菌床栽培に比べ、手間がかかり、収量が安定しないことから生産量は、減少しております。 これに対し、菌床栽培は、おがくずや綿がらににフスマ(小麦のぬか)やコーンコブ(とうもろこしの芯の粉砕物)、米ぬかなどを混ぜ固めたもの(これを「菌床(きんしょう)」と言います)にしいたけ菌を植えて栽培する方法で、菌床には化学肥料や防腐剤などが添加される場合もあります。 菌床栽培は原木栽培に比べて栽培期間が短く、3~4ヶ月ほどで収穫することができ、人工的に作られた菌床で栽培すると、大きさ・形をそろえやすく安定生産が可能です。 また、菌床栽培は大規模な生産も可能で、価格も季節によって大きく変動することが少なくなってきました。 このため、ここ最近スーパーなどで売られているしいたけのほとんどが菌床しいたけになっています。 以前安全性が問題になった中国産のものも菌床しいたけでした。 今、日本国内で流通している乾しいたけの60%以上は中国産の菌床しいたけです。
では、なぜ?簡単で大きさ・形をそろえやすく安定生産が可能な菌床しいたけではなく、重労働で手間がかかり、収量が安定しないむずかしい原木しいたけにこだわるのか? それは、ズバリ!
”美味しさ”、肉厚でプリプリとした”食感”、しっかりとした”香り”、 そして、 ”安全性”です。
是非、菌床しいたけより、肉厚、風味、歯ごたえ、そして、安全性に優れている原木しいたけをご賞味ください。
原木しいたけは優れた機能性食品です。原木しいたけが持つ成分には、有害なウイルスから身を守る「多糖類」、腫瘍(ガン)を退宿させる「レンチナン」、コレステロールを除去して血圧を正常にし、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中の予防する「エリタデニン」、ビタミンDに変化することにより、カルシウムの吸収を高め、骨や歯を丈夫にする「エルゴステロール」、消化系の改善に効果がある「食物繊維」、メタボの心配がいらない低カロリーなど数多くの体に良いことばかりです。